ここ数年で日本のギャンブル業界において大きな変化が起きています。これまで日本ではパチンコが圧倒的な人気を誇るギャンブルとして愛されてきましたが、ここ数年ではそのあり方が大きく変わりつつあります。
そこでこの記事では日本のギャンブル業界の今後について考えていきます。
パチンコの現状と将来
日本におけるパチンコは1990年代にピークを迎え、当時は30兆円産業と言われるほどの人気を集めていました。パチンコ店は町の至る所にあり、いつでも好きなときに利用できるギャンブルとして国民生活に非常に根付いていたのです。
しかし、1990年代のピークを境にパチンコ業界は衰退の一途をたどっています。この原因として挙げられるのが若者のパチンコ離れです。
最近ではスマートフォンがあることに加え、映画館やゲームセンターなどたくさんの娯楽施設が存在します。そのため、若者の多くはこれらの娯楽を選ぶようになり、パチンコを利用しなくなっているのです。また、パチンコ店はうるさい、治安が良くないなどネガティブなイメージを持つ若者が多いので、パチンコに対して全く関心がないとも言っていいでしょう。
また、2020年よりパチンコ店が全面禁煙化となりました。これはパチンコ業界にとって大きな打撃となりました。これまでは多くの人が、パチンコは自由にタバコを吸える場所として利用していました。しかし、一気に規制されてしまったことによって、喫煙者の多くがパチンコから離れるようになってしまったのです。
さらに今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、パチンコ営業が今までのようにいかなくなってしまいました。また、ソーシャルディスタンスを保つ必要があるため、パチンコ店が営業されているといっても、これまでと大きく状況が異なります。
このように、ここ数年でパチンコ業界にとってはネガティブなことばかりが連続して起こっており、業界は縮小する一方なのです。実際パチンコ店の数は昔のように多くなく、閉鎖する店舗が増えています。
オンラインカジノの現状と将来
パチンコ業界が衰退している一方で、オンラインカジノ業界は勢いを増しています。オンラインカジノは、もともとヨーロッパを中心に人気を集めていたギャンブルですが、最近ではそれらの企業が日本マーケットに進出しており、日本語で利用できるオンラインカジノの数が増えました。これにより、日本人の多くもオンラインカジノに関心を持ち始め、ユーザーの数がここ数年で一気に増えているのです。
また、新型コロナウイルスの影響で外出が規制されている中、オンラインカジノが注目を集めました。オンラインカジノであれば自宅で気軽にギャンブルを楽しむことができ、これまでラスベガスやマカオのランドカジノを使用していたという人が、オンラインカジノに移行しているのです。また、競馬やパチンコもこれまで通り楽しめなくなってしまったため、そのようなギャンブルを楽しんでいた方も、新しくオンラインカジノを始めています。
そして、オンラインカジノではボーナスなどたくさんのサービスを用意しているため、多くの人から大好評となっているのです。そのため、パンデミックが終了したとしても、オンラインカジノの人気は根強く残ることが予想されており、今後ますます多くの人に利用されるといってもいいでしょう。
日本のギャンブルの将来
このようにパチンコとオンラインカジノでは、同じギャンブルであっても正反対の道を歩んでいます。パチンコは衰退する一方で、オンラインカジノは市場を拡大しています。そして、この流れはこれからも継続することでしょう。
オンラインカジノの人気がどんどん増えていけば、パチンコの利用者数は減少していくので、これまで以上にパチンコ店の店舗数は減少していくことでしょう。そうすると日本における主流なギャンブルが、もしかするとオンラインカジノとなるかもしれません。
また、今後日本にランドカジノが設置された場合、ギャンブルが日本において合法となることを意味します。そうすると、日本企業によるオンラインカジノも誕生することが考えられるでしょう。そうすると、より日本人にニーズに合った環境でオンラインカジノが楽しめるようになり、さらに人気を高めていくと言えます
また、オンラインカジノの多くは、ユーザーを獲得するためにモバイルに対応し始めています。これまでオンラインカジノを利用する際には、自宅のパソコンからアクセスする必要がありましたが、今ではタブレット端末やスマートフォンからプレイするのが当たり前になってきているのです。
実際にほとんどのユーザーはオンラインカジノをモバイルから使用しています。今後モバイルからのオンラインカジノの利用が増えていくのであれば、日本においてギャンブルのあり方自体が大きく変化していくと言っても良いでしょう。